出雲大社に祀られている神様の話。
もちろん、どんな神社にも神様が祀られているものだ。
私はこれまで出雲大社以外にも伊勢神宮であったり榛名神社や厳島神社など、各地の神社を回ったが、それぞれにいろんな信仰やしきたりがあり面白いものだった。
では、出雲大社にはどんな神様が祀られているのだろうか?
この出雲大社に行ってみると、松の参道を抜けたところには銅像が並んでいる。他にも境内の至る所にウサギの像が並んでいて、これがまた可愛らしく人気を呼んでいるらしいのだ。
そんな出雲大社にまつわる神様。これについて調べてみたのだが、これがまた数が多くて覚えきれない!
さすが神様が集まる神社、出雲だなぁと感じながらも、今回はこのたくさんの神様を紹介していけたらと思う。
出雲大社の神様って?
かつて日本を治めていた神様
まずは出雲大社の主祭神について紹介しよう。
大国主大神(おおくにのぬしのおおかみ)
神社に訪れると手水舎(ちょうずしゃ)の周辺に像も見られる。
彼は縁結びの神様として知られていて、かつては日本を統治していたそうだ。
『彼』というので男性の神様である。
もともと日本の大地を創ったのもこの神様だと言われていて、後に天照大神(あまてらすすめおおかみ)へと日本をバトンタッチする神様でもある。
ただし、天照大神へ国を譲る際、好意的に譲ったお話と、乗っ取られたため激怒しているなどといった説が散見されるため、どちらが正しいのかは正直私も分からない。
出雲大社の中でも有名な巨大しめ縄は、この怒れる大国主大神を封印するためだという記録も読んだのだが、やっぱり正しいことは解らない。
個人的にはめちゃくちゃ羨ましい縁結びの神様だ。
ヤマタノオロチと一緒に聞いたことがある
もう一人、いや神様なので一柱、この出雲大社に祀られているメインの神様がいる。
それが……
須佐乃男命(すさのおのみこと)
聞いたこともあるだろう。スサノオは大国主大神のお父さんらしい。
他にもおじいちゃんであるなどいろんな説があるけれど、やっぱりこれも神話にはありがちな曖昧な設定なのでどちらも正しいと言えるだろう。
お父さんやおじいちゃんと言われるだけあって、男の神様だ。
スサノオは大国主大神にいろんな試練を与えて、息子を強く立派な神様に育てたそうだ。スサノオ本人の伝説などはヤマタノオロチを倒したお話などで有名ではないだろうか。
最終的には大国主大神の守護神となるスサノオ。つまり出雲大社はこの親子がまず祀られているのだ。
また、この出雲大社には神無月(神在月)には神様が集まると言われている。この動画は、そんな神在月のお祭りで神様を迎えるためのお祭りの様子である
▼神在祭、全国の神様を迎える神迎神事 Welcome ceremony of the national god
神様の奥さんはこんなにいた
神の心を射止めた正妻
さて、大国主大神にはたくさんの妻と子供がいる。彼の奥さんたちも一緒にこの出雲大社で祀られているのだ。
その中でも一番の嫁。正妻になるのが……
須勢理毘売(すせりひめ)
後の女神もみな、読み方に「姫」の文字が入っており、それらはすべて大国主大神の妻である事を表しているらしい。
こちらの女神さまは別の国の神様をしていたのだが、大国主大神と出逢って一目惚れ。電撃結婚をしてこの日本へとやって来た。
彼女の名前は「須佐乃男命」から取られたらしく、この「スサ」には「=荒らしい」という意味があるらしくて、とても気の強い女性だったようだ。
なんとなく、ヤンキーな女の子がイケメンに惚れて、そのまま押しかけ女房になるという物語がイメージされてしまうのだが、とかく、彼女は一身の愛を彼にささげ、正妻として尽くしたそうだ。
一夫多妻の中でも人気の女神
続いて、ふたり目の妻。
多紀理毘売(たきりびめ)
という名前の女神様。
彼女は出雲大社ばかりじゃなく、福岡の宗像神社や、宮島の厳島神社にも祀られている神様で、いろんな場所から引っ張りだこの女優みたいなものである。
彼女の名前は「たきる」という言葉からきているらしく、これは「激しい流れ」を意味しているようだ。
その名前からも分かる通り、やっぱりこの女神さまも気性の激しい気の強い女性であったことが伺えるだろう。
そういう人物ならぬ神物像を思い浮かべていくと、大国主大神は銅像でこそダンディなおじさんだが、因幡の白兎(いなばのしろうさぎ)を助ける優しい心を持っていたあたり、実は気の弱そうな青年だったのでは。だからスサノオは彼を強い男にしようとしたのでは?
そして、気の強い女性から守ってあげたい願望を抱かせ、ハーレムを作ったのではないだろうか……など。そんな妄想もできて面白いかもしれない。
大国主大神を蘇らせたふたりの女神
続いてこの大国主大神が亡くなった時に、治療を施し蘇らせたという女神が二柱祀られている。それが……
きさ貝毘売(さきがいびめ)
蛤貝毘売(うむぎびめ)
である。この二人は名前に「貝」とあるように、それぞれ赤貝とハマグリが擬人化された女神さまらしい。
この二つの貝はその昔、火傷に効く治療薬として使われていたらしい。そうしたところから、治癒の神様として人々に知れ渡ったのだろう。
出雲大社を守ってくれる神様達
最後にふたりの神様を紹介しよう。どちらも出雲大社の本殿を守ってくれている神様だ。
宇治神(うじのかみ)
久多美神(くたみのかみ)
この神様はいわゆる門番。境内の「摂社・門神社」というところに祀られているらしい。
また、男女どちらかについては実は記録がない。名前から見ても性別は判断ができないし、古事記にも書いていないので性別不明の神様だそうだ。
すごくどうでもいいのだが、昨今アニメ業界では性別不明キャラなどが結構注目を浴びているようにも感じる。
めちゃくちゃ邪(よこしま)な目だけれど、そういう俗っぽい考え方をしながらこの二柱を見ていると、何かしらワクワクやドキドキが強くなるかもしれない。
少なくとも私は夢が膨らむ。
以上、たくさんの神様を紹介したのだが、これが出雲大社に祀られている神様達の名前と性別となっている。
出雲大社の神様の名前が多すぎて覚えられない! まとめ
いかがだっただろうか? 調べてみると本当にいろんな神様がいる。それぞれの名前、性別。改めて見ても正直覚えられる自信はない。
ただ「大国主大神」と「須佐乃男命」。出雲大社の主神でもあるし、何より超有名前だ。この辺りは簡単に覚えられるのではないだろうか?
それから、実際に出雲大社に行ってみると、そこにはおじさんの姿をした大国主大神の像がある。
しかし、今回調べた女神についてと、あと、現地で聞いた因幡の白兎を助けてあげた彼の話を合わせて、今、私の中では大国主大神がいかついおじさんから心優しい男の子へと姿を変えている。この説、めちゃくちゃ推していきたい。
そんな思いを馳せながら見ていると、記憶に残りやすいかもしれない。