出雲大社に出掛ける前に、友達に言われた事がある。
「参拝のやり方はちゃんと調べて行けよ」
と……出雲大社へはじめて訪れた私だが、正直何のことか始めはさっぱりだった。
神社の参拝方法と言えば「2礼2拍手1礼」の事ではないだろうか。
もしくは、最近だとお賽銭の意味を知らず、高額を投入すればいいと思っている人が増えて来ているので、そういう事なのかな? と思っていた。
全然違った。そう、出雲大社には独自の参拝マナーがあったのだ。
そこで今回は出雲大社への参拝のやり方。他の神社とはどこが違うのか? 参拝前に気になるポイントをチェックしていこうと思う!
出雲大社の参拝はココが違う!
出雲大社は「2礼2拍手1礼」ではない!
まず今回の出雲大社の参拝において。
友達には注意されたけど、できれば調べてとかじゃなく教えておいて欲しかった参拝方法。それが……
「2礼4拍手1礼」
まずはこれから説明しよう。
一般的に神社などにお参りに行った際、参拝は、お辞儀を二回→拍手を二回→お辞儀を一回という形を取る。
だが、出雲大社など古くからある一部の大きな神社においては、拍手の回数が「二回」ではなく「四回」になるのである。
これについてはいろんな理由がある。
明治まではどの神社もそうで、出雲大社などは古い名残があるなどが代表的だろう。また、格式の高い所や、特別な日には拍手の回数を増やすのがしきたり。
詳しくは割愛するとして、出雲大社では賽銭を入れた後「2礼4拍手1礼」。これに注意したい。
注意!参拝は反時計回り
「そんなルールまであったのか!! 」
と驚かされたのが、境内の歩き方だ。出雲大社を参拝する際はなんと……
反時計回りに参拝してくのが正しい
のだとか。「なるほど、境内を反時計か!」と思ったらちょっと違う。
この「境内」になってしまうと、四つの鳥居の最後、銅鳥居をくぐった後になるのだが調べていると、どうもそこからという訳ではないらしい。
要は、二つ目の鳥居である勢溜の鳥居から反時計回り。松の参道を通り拝殿や本殿を回り、西にある神楽殿へと行きましょうと言う事らしい。
なのでこちら、恐らく普通に歩いているとだいたいそのルートを通る事ができる。
各駐車場から銅鳥居の所まで横道を通って行く事もできるのだが、出来れば南にある勢溜(せいだまり)の鳥居をくぐり、祓社をはじめとして参道の順路を巡ってから、御本殿へといけるのがベストだろう。
ちなみにこちらは「2礼4拍手1礼」のやり方を紹介した動画だ。字面だけではよくわからないという方は、是非参考にして見て欲しい。
▼出雲大社の参拝
あまり知らない参拝のポイントをチェック!
覚えておきたい賽銭の意味
さて、では続いて、これは出雲大社だけではなく、いろんな神社にまつわる細かな作法を紹介していこう。
先ずは賽銭。
少し前に話題になったのが、賽銭は高額を投入するのがより良いとされ、五円をみみっちいと卑下したコメントがネットなどでは炎上していた。
これは炎上しても仕方ない。賽銭は高額だから良いのではなく、それぞれに意味があるのである。
その一部を紹介したい。
5円:「御縁がありますように」という掛け言葉になっている。
10円:5円玉を2枚重ねて「重ねてご縁がありますように」という意味。
15円:「十分ご縁」にかけて「十分に御縁がありますように」
20円:5円4枚で「よいご縁」という意味。
115円:「いいご縁」という意味。
415円:「よいご縁」で20円よりもリッチ。
と、紹介しきれていない様々な意味がある。
これらは基本的に5円玉を重ねてその金額にするのだ。流石に415円は5円玉だけでは難しいそうだが。
こうした、5円を使うからこその意味が隠されている。
それにこれは個人的な意見ではあるが、神様にとって人間のお金に価値はないので、高額を入れる意味はまったくないのである。
意外と知らない手水舎でのマナー
あまり知られていないのが手水舎(てみずしゃ)でのマナーだ。
神社には必ず手を清める水場があるのだが、ここでどういう風に洗っていけばいいのか? 実はよく知らない人が多いと思う。
私もそうだ。見よう見まねではなく、ちゃんとした手順を知っておこう。
1.手水舎に軽く一礼
2.柄杓で水をすくう
3.左手を洗う
4.持ち替えて右手を洗う
5.右に持ち直し、左手に水を溜め口を洗う。水を出す時は左手で隠す
6.もう一度左手を洗う
7.柄杓を立てて、残った水で柄を洗う
8.手順1と同じ
となっている。
手を洗う、口を洗う。そこまでは知っている人も多いと思うが、実は細かく見ていくと、これだけの工程を挟まなければならないのだ。
そして何よりも大切なのが、これらの手順はすべて……
一杯分の水で行う
と言う事である。そう、汲み直してはいけないのだ。
知らない人は多いが知れば、より御利益もアップするかもしれない。出雲大社以外の場所に参拝する時にも注意しておこう。
出雲大社のココをチェック
参拝するときは西から
さて、最後に出雲大社の重要な参拝ポイントを見ていきたいと思う。
まず紹介したいのが、本殿を参拝する際。このとき賽銭箱などは南にあって、多くの方が南で参拝をすると思う。
しかし実は、出雲大社を参拝する際は南だけじゃなく、西から二回目の参拝を行わなければならなかったのだ!
これには理由がある。
そもそも、今でこそ南に賽銭箱があるけれど、実は神様、南ではなく西の方を向いているのだそうだ。つまり、ちゃんと西からお参りしないと意味がないのである。
「二回」と言われているが、正直西からだけでも良いのではと、この事実を知った時に感じたくらいだ。
実際に出雲大社に行ってみると、本殿の西側に参拝する場所が用意されている。もちろん私はこの事実を帰って来てから知ったので、言われてみれば謎の賽銭箱があって物凄く気になって帰って来たな、と。
まさか、あそこから参拝するのが正しいだなんて……。
皆さんも是非注意して貰いたい。
神楽殿の大しめ縄にこれはやらないで
さてさて、もう一つ。出雲大社の名物というか、有名なのは巨大なしめ縄だ。
これは本殿ではなく、出雲大社の神楽殿の方で拝む事が出来る。
超巨大なしめ縄。やはりその由来や意味などについては、こちらの記事で詳しく説明しているので割愛しよう。
今回注意して貰いたいのが、このしめ縄、ニュースなどでしめ縄に賽銭を投げて、刺されば縁起がいいなんてやっていた。しかし……
それは真っ赤な嘘。
嘘というより誤情報と言うべきか。むしろ罰当たりだと怒られるのでやらないようにしよう。
ちなみに私が参拝した際は、余りにも多くの方が賽銭を投げつけるらしく、大量の小銭が汚いくらいにしめ縄に突き刺さっていた。
しかし、それ以上投げつけられないように、ネットまで掛けられていたのだ。ネットには無数の賽銭が落下していたのだが、確かに、普通に考えれば罰当たりというより、現実的に、賽銭が落ちて来て危ないのである。
しめ縄が痛む原因にもなるだろう。
できないようになっているとは思うが、例えネットが外されていたとしても、賽銭は投げつけず、その巨大なしめ縄をお参りし、神楽殿へと参拝して貰いたい。
出雲大社の参拝マナーで気を付けるべき事とは? 恰好や作法を徹底解説! まとめ
いかがだっただろうか? 出雲大社独自のマナーというものがあり、驚かされるばかり。
なにより拍手、柏手とも書くが、その回数が4回だった事に驚かされた。
友人には後から笑われたが、本当に、先に伝えて欲しかった。皆さんは間違えないように注意して頂きたい。
それから賽銭の意味や手水舎でのマナー。これは意外と知らない人が多い、むしろ知る機会も少ないと思うので、こちらで知る事が出来たのなら幸いだ。
最後に……
西から参拝を忘れない事。
また、神楽殿のしめ縄に賽銭を投げつけないようにだけは注意しよう。